ファッションの「正解」を求め続けて6年目になろうとしている(このブログが2012年スタートなので)櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!
さて、以前からバッグのことでやりとりをさせて頂いているMさんから先日メールを頂きました。
(ご了承頂いて一部掲載しています〜ご快諾ありがとうございます)
>以前からバッグを探しています。
・オールシーズンOK
・カジュアルでもワンピースでもOK
・手持ちのどの服にも合う
・そこそこのクオリティ
・上限5,6万くらい
(櫻田追加:軽い、丈夫、汚れにくい)
>何を基準にすれば、万能的な物を見つけられるのでしょうか。
ブログにご相談を頂いてよく感じるのは「あなたは櫻田ですか?」ってことなんですが、えぇ、櫻田も同じような基準で「運命の万能バッグ」をずーっと探して悩んでいます。
ということで、適切なアドバイスや回答を差し上げることができません。
でも、悩んでいる櫻田のぐーるぐるな心理状態を共有することはできますので、今回はそれをしてみたいと思います。
すごく長く回りくどいので、そこんとこ4649!
★
ちなみに、小林直子さんの回答をば。
・バッグの色の選び方
小林直子さんのブログ「誰も教えてくれなかったおしゃれのルール 」より
前提として、小林さんはその著書で、コーディネートはシルエットよりまず色が大切と仰ってます。
■ 私達は「正解」を求めている
骨格診断とかパーソナルカラー診断とかが流行るのは、私達が「正解」を求めているから。誰かに「あなたはこれが似合う」「この組み合せが正しい」と言って欲しいからだと思います。
自分に軸がないし、自信に自信がないから、先生に「これが正解よ」って言ってもらいたい。
セレクトショップに似たような服が並ぶのは、正解が良く分からないから「皆と同じ」「オシャレな人がオシャレと言ったもの」なら安心だと、雑誌に掲載されたものを正解だと思う私達が、似たような服しか求めないからです。(そう、仕向けられているというのもあるが、それに耐性がない=自分がない。)
なのに、セレクトショップにもどこにも欲しい服がない・・・と思うのは、自分に軸がないクセに、人と同じなんて嫌という、思春期の中高生かいっ!って状態だからだと自分で思っています。
■ 主役を張る勇気もないけど、脇役もイヤ
自分に軸がないなら、自分で作るしかない。それは即ち、どう生きたいかを決めて、それに向って努力することだと。
でも、そんなのかったるいじゃないですか。
小林さんは繰り返し「人生という舞台の主役を生きましょう!」とおっしゃいますが、そういう生き方を誰もがしたいとは思っていないような気がします。
主役を生きるのって大変です。いい感じの脇役で、いいじゃないか!白鳥の湖の、ソロもいいけど群舞も素敵です。
(ご本人もそれを否定しているのではなく、主役を生きようと思う方に向けて書かれているのだと思いますが)
適度に流行を追って、適度に皆と同じような服を着れば「正解」から大きくズレることはない。誤差のようなオリジナリティの中でも、自分らしく楽しめばいい。
小林さんのおしゃれの教科書は、どう生きたいのか、を決めることからスタートしますし、他のファッション指南本でもそれは強調されています、が、私らしく生きるというのは、常に自分と向き合うことが必要で、誰かが正解を与えてくれるわけではなく、実は結構しんどい。
そこで、上手に折り合いを付けて群舞を楽しみ、美しく楽しく人生をダンスする生き方を選ぶ人もいる。
そして、それを受け入れられもしないし、上手に群舞に入ることもできないし、主役にもなれない・・・っていう私を含めたもがいている人達もいるわけで、そういう人がバッグ選びの正解を求めて何年も苦しんだり、そして小林直子さんの本を読むとハマるんだと思います。
そう、主役を張る勇気もないけど、脇役も嫌な私達を、主役人生に誘ってくれるのが小林さんで。
■ 何かを選択したら、何かを諦めなければならない
>(アンテプリマのバッグの件で)私もシルバー系に惹かれます。
>けれど、アクセサリーがゴールドの時、合わせやすいバッグがこれまた無いんです。中途半端なのです。
うおー、それ分かる!バッグの金具も含めた「金属問題」たまにゴールドのアクセサリーもしたいのに!どうすりゃいいねん!って。
何かを選択したら、何かを諦めなければならない。
あれもこれもそれもどれもは子供まで・・・それが実現しているように見えるセレブも、有名になることを選択したら、自由やプライベートを差し出さなければならない。
イケメンを選択したら、経済力や浮気には目をつぶらなければならない。
アクセサリーはどちらかに統一するか、金属を統一するのを諦めるのか、コーディネート力を上げる努力をするか、どちらも楽しむためにミニマムクローゼットは諦めるのか、専業主婦は諦めるのか。
どれも諦め切れないのは、反対に、自分にとって何が重要で大切かを決断していないからではないでしょうか。
櫻田はそれができていないから、こんなにグルグルしてるんだと思います。←後から付けたしました
■ さて、何を基準にすれば、万能的な物を見つけられるのでしょうか。
そんなどっちも決められない状態だから、運命のバッグに出会えないんだと思います。
運命のバッグは、条件等で絶対的に正解が存在するのではなくて、自分が「これ」と決めるものだと思うんです。
人生のパートナー選びに近いのかもしれません。
自分の決断に自信と「責任」を持てるようになった時、その責任を誰かに押し付けなくなった時に、運命のバッグ探しは終ると思います。まあ、ワードローブ迷子も終るし、自分探しの旅とか、婚活も終るよね。
それが出来れば誰も苦労しないけど。
Mさんのご質問にお答えするならば、「自分を基準にすれば、万能的なものが見つかる」のだと思います。他人や診断や流行を基準にしている限り、自分のバッグは見つからないし、どこか難くせをつけて「もっと良いバッグがあるはず」となるんだと思います。
あぁ、人生のパートナー選びと近いのかもしれません。
■ ファッションの悩みは人生の悩み
>以前の私は結構悩みながらも、欲しい物は購入していたのですが、最近は自分に何が合うのか、訳が分からなくなってきておりまして…。
>冒険したい自分と保守的な自分とに悩まされています。
それは、もしかしたらご自身の生き方の問題と似ていないでしょうか?
「以前の私は結構悩みながらも、新しいことにチャレンジしてきたけど、最近は自分がどうしたいのか、どう生きたいのか、分からなくなってきて・・・自分を変えたい、変わりたいと思う気持ちと、今のそれなりに楽しく充実した毎日を失うのは怖いという気持ちとに悩まされています。」
勝手な決めつけだったら本当にごめんなさい。でも、特に年齢が上がって来て、櫻田自身そう思う時があるから、もしかしたらMさんも一緒じゃないかなって思って。
だからこそ、本気で主役を張りたいのか、脇役を楽しもう♪とするのか、決断することが必要なんじゃないかな、と。
脇役を楽しむなら、もっと気楽にSNSに流れている流行のものを買えばいいし、本気で主役を張りたいなら、努力するしかないと思います。
★
また、私達には恐らく「悩んでいる自分が好き」という側面もあると思いますので、あまりご自身を追い込まなければ、決断せずに揺れ動き続けるのも、それはそれで一つの生き方な気もします。そう受け入れて「悩むのも趣味♪」と思えば、悩むこともそれほど辛くならないはず。
★
いやでもさ、「自分を基準にすれば、万能的なものが見つかる」とか、そんな哲学ぶった回答なんて参考にならないし、現実問題そんな徹底的に自分と向き合うとか、無理じゃん。みんな白黒付けて生きてるわけじゃないし、ある程度妥協したり誤摩化しながら生きているのが普通だし。
だから、ファッションはテクニックの問題と考えてあまり深く考え過ぎず、まずは基本的なルール(3色ルールやリレーション)をマスターして、マスターできたら応用して、その時折雑誌に掲載されたいい感じと思う装いを、自分の予算内でコピーして、群舞を楽しむのでいいんじゃないかと思ってもいます。
だって、ファッションが「その他大勢」っぽいからって、その人の生き方までもが「脇役」になる訳では全くないし、これまでの人生の選択を、自分自身が正解だと思えているならば、不満があってもそれを他人のせいにしていないならば、その人は自分の人生の主役を生きていると言えると櫻田は思うから。
悩むのが趣味の櫻田は、悩みながら「人生の主人公に相応しい、主人公の輪郭を強く描いてくれるようなワードローブ」を考えて、組み立てていきたいと思っています。
ので、万能的な運命のバッグも探しつつ、夏のカゴバッグなどにも心惹かれるMさんの選択肢、
①夏限定のバッグを選ぶのか
②そこそこ使えそうな、夏でも持てそうなお手軽バッグを選ぶのか
③購入はやめて、本命のバッグに少しでも足せるよう我慢するか
櫻田の場合は予算配分もあるので、頑固に③です。
でもそう、
>最近、手持ちのバッグもピンとこなくなり少々焦り気味です。
はい、手持ちのバッグの傷みも激しかったり、使い勝手が悪かったり、もう、助けてーって感じですが、今週、今月の櫻田のテーマは「焦らない」です。
Mさん、これからも一緒にバッグ選びに、ファッションに、悩んで参りましょう!
そして、何の解決にもならないお返事で、さらに超絶長くてごめんなさい!