今日の櫻田

鏡ばかり見てないで 〜アイリス・アプフェル Iris Apfel〜

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アメリカ10日間の旅行から、日本に帰って参りました櫻田こずえです、皆さまごきげんよう!
シカゴから13時間以上のフライトを耐えるため、空港で買った雑誌に、素敵な言葉を発見しました。

To me, the worst fashion faux pas is to look in the mirror, and not see yourself.

「私が思うファッションにおける最大の過ちは、鏡ばかり見て自分を見ないことね。」

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アイリス・アプフェル Iris Apfel という、94歳のファッションアイコンの言葉で、出典はこちらのインタビュー記事。
Interview with Icons: Iris Apfel, Fashion Legend

・鏡を見る=外見
・自分を見る=内面

そういう対比を感じますが、彼女のインタビュー記事を読んでいると、

・自分が他人からどう見られることを意識する
・自分がいいと思うものを着る

そういうメッセージを感じました。

哲学や心理学、社会学からもファッションを考える、とてもスマートでクールな人。彼女の映画が今年春日本でも公開されて、それで話題になっているのかな。

映画公式サイト:アイリス・アプフェル Iris Apfel 94歳のニューヨーカー(音注意)

彼女の言葉はユーモアを纏いながらも、とても鮮やか。
http://irisapfel-movie.jp/about.php

iris_apfel2.jpg

まあ、センスがある人から言われても・・・と思っちゃうんですけどね(笑)

アメリカで大変個性的な人達に会った影響もあると思うのですが、櫻田は、定期的に、こういう個性的なタイプの方に惹かれるようです。
2015.04.13 (Mon) 新憧れ美人☆Linda Rodin

多分、鏡ばかり見て(他人がどう思うのか気にして)しまう自分が居ながらも、自分らしくユニークでありたという気持ちが拮抗してるからだと思うのですが。

2015.08.11 (Tue) 「センスは知識からはじまる」水野学★ワタシの最適化
    センスの最大の敵は思い込みであり、主観性です。思い込みと主観性による情報を集めても、センスは良くならないのです。
ファッションセンスも同じように、最大の敵は思い込みであり、主観なのかっ!?
やっぱり客観性より、自分が好きなものを着るに限るわっ!とか最近思っている櫻田、早速グーパンチされました。

恐らく、どっちが正しいというワケではなくて、どっちの視点も大切だと思うんです。世間では、どちらにも優れた方が、主観的であれ!と言ったり、客観的であれ!と言ったりしているだけで。

でも、何で自分は鏡ばかり見てしまうのかな、と考え始めると・・・子供の頃にまで遡ります。

小学校の卒業式は自分で作った、大きな白襟のついたピンクのスーツ上下を着ました。
(それ自体忘れていて、このまえおばあちゃんの家に行って一緒にアルバムを見た時に偶然発見して、思い出した)

その時は、自分が思い描いた「かわいい」を作って着られることが嬉しくて、洋裁に夢中になりました。小学校3,4年くらいから洋服やセーターを自分で作っていて。

でも、やっぱりちょっと目立つし、腕もまだないから変な形だったりおかしな服になっていて、友達や大人に揶揄されることもよくありました。

自分ではクールだと思うものを他人から批判され、同時に次女なりの処世術を身につけていた自分は、人と違う格好をするのはリスクだ、と思うようになっていきました。

いつ誰からか忘れたのだけれど、装苑か何かで見て憧れた、ジャケットのような上着の上からベルトをするスタイルをしたら、こっぴどくバカにされて、その時感じた悲しい気持ちは今でも覚えています。ちんちくりんの上着に、何か洋服についていた合皮のベルトで、本当に変な格好だったのだろうと思うけれど。

その頃にいろいろなことがあって、人と違うことはしない方が良い、自己主張はしない方がいいと強く思うようになりました。親や先生の言うことを聞いて、真面目に勉強して、誰とでも仲良くして、ニコニコ笑っているのが一番いい。

表現したり声に出したりすれば、誰かに叩かれ、潰されてしまうから、それでも主張し続けるにはすごくパワーがいる。でも、内に隠している限り、それを誰も注意したり冒涜することはできないし、イマジネーションの中では完全に自分は自由になれるんだと思うようになっていました。自由になりたければ、表面的には優等生を演じ、それを表現したり声に出さずに、頭の中で自由に生きれば良い。SFやファンタジー小説が好きだったことと、関連は薄くないだろうと思います。

そうしていつしか、内なる自由も手放し、鏡ばかりを見て、自分を見ない人になってしまった。ファッションだけでなく、考え方、生き方、全て。

If you try to please everybody, you end up pleasing nobody and making yourself miserable.

「全ての人を満足させようとしても、結局誰も満足させられないばかりか、自分がみじめになるだけよ。」
Interview with Icons: Iris Apfel, Fashion Legend

41歳になってそんなことを思いながら、ここ数年は、自分に少し近づけている気がしています。客観性と、主観性との間を、きっと振り子のように揺れながら、自分らしい着地点に、気付いたらいるじゃないかなと思っています。

流行を意識しつつ、個性的なアイテムに惹かれ、無難で大人しい服を着つつ、カラフルなアイテムを買い、沢山の失敗を重ねながら、自分がComfortableに感じられる自分らしさを身につけていきた。それは、Irisのようにカラフルな装いかもしれないし、ゴスロリかもしれないし、シンプルなミニマリズムかもしれないけれど、胸を張って、それが私のスタイルだと言い切れるように。

今はまだ全然、良く分からない。

Most people want instant, easy everything. People are always asking me ‘Oh, how can I have style? I want style.’ Well, you have to work at it. There’s no free lunch.
「何でも簡単に手に入れようとする人が多いわね。いつも「自分のスタイルが欲しい、どうやったら手に入れられるの?」と私に聞くけれど、努力して身につけるものなのよ。そんなに甘くないわ。」
Interview with Icons: Iris Apfel, Fashion Legend

そんな試行錯誤の果てにどんな自分らしさに辿り着けるのか楽しみ。その軌跡をここに残すことができたら。


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