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2017.08.03 (Thu)

その美人に目を奪われた理由は。

肩パッドの入った半袖のラグランスリーブ、テーラードカラーのオフホワイトのロングフレアワンピースに、ピンクとパープルが混じったような、まろやかなテリのパールの一粒イヤリングと40cm位の一連ネックレス。

白髪混じりの長い髪をオールバックで一本の三つ編みにまとめているけれど、キッチリし過ぎていない程よい緩やかさがあり、しかし後れ毛は疲れた感じではなく、フェミニンな柔らかさを与えていて。

整えられた色白の肌にはピンクのチークが可憐さを添え、控えめにピンクに染めた唇は、軽く口角が上がったまま柔らかく閉じられている。

「美しい人」だなと目を奪われた、恐らく60歳くらいであろうそのご婦人は、優雅な上品さを漂わせながら、姿勢を正して電車の座席に腰掛けていました。





これから美術館に行ってモネやルノワールの印象派か、藤田嗣治なんかを鑑賞した後に、クラシックなホテルのラウンジでケーキセットを食べながら、学生時代の友人男女3,4人でおしゃべりに花を咲かせるのかな。

きっと若い頃は、ストライプのシャツとチンパンが似合う背の高い好青年の漕ぐ自転車の後ろに、白いワンピースと麦わら帽子で横座りで乗り、涼しげに軽井沢を駆け抜けていたんだろうな。

そんな「ストーリー」を思い起こさせるような力が、その人、その人の装い、その人のオーラにはあって、目を奪われました。

そして彼女が小さなハンドバッグから取り出したのは、キティちゃんの何か、で、あまりキャラクターものを好まない櫻田の目にも、それはお茶目でとても可愛らしく、彼女の世界観をより美しく奥深くするような小道具のようで、さらに印象に残りました。

どこかの駅で彼女は電車を降りて行ってしまったのだけれど、なんだかずっと忘れられなくて、こうしてブログに書いてみたら、うわーっと最近のもやもやが出て来ました。

自分語り系が苦手な方は、また明日!





そういうものを私は自分に、自分の装いに、自分のオーラに、纏わせることはできるのかなと、振り返って思います。

IKKOさんの「個性とは頭の中の世界観」という言葉の、その世界観を、自分は頭の中に持っているのだろうか(いや持っていない)、その内側にあるものを外に滲み出させることはできるのだろうか(いやできない)、そのご婦人のように。

彼女は小林直子さんが話される「自分の人生という舞台で主役を演じるヒロイン」そのもので、ヒロインのために考え抜かれた衣装とヘアメイク、そして小道具が、唯一無二の人生を豊かに引き立てているようだと感じました。

しかし実際、彼女はそんなことをみじんも意識することなく、息を吸って吐くように、そのすべてをふわっと何気なく選んで身につけているのだろうと(非常に勝手に)思うにつけ、それに比べて自分は何なんだと思わずにはいられなくて。

ある日の装い〜実はわたしが決まっていないのだが〜





櫻田の頭の中にはいつも「これは正解か不正解か?」と回りをキョロキョロする自分がいて、自分独自の世界観を育てることを怠って来たのだと思う。

親に対しても、学校でも、いつも優等生であろうとしたことに、やはりそのルートがあるような気がしてならないけど、そんな分析をして過去の自分の生き方にケチを付けたところで何の意味もない。

過去はどうにもできないけれど、今これから、自分がどう生きて、どうあるのか、何を着て、何を着ないのかは、全て自分で決めることができるし、今から自分の世界観を作ればいいだけの話で。

birthdaynotenew.jpg

#ちなみに、小さな頃から好きだった「エメラルドグリーン」という色にこだわるのは、大人が求める正解、を意識する以前の自分が、無意識に選んだ色だろうと思うから、その色が自分独自の世界観のキーにになるような気がしているからだと、ふと思ってみたり。

でも、自由に世界観を表現しろって言われても、夢を語れと言われても、大海原にざぶんと投げ込まれるような、鳥人間コンテストで突然ここから飛んで?って言い渡されて脚がすくむような、無理ゲーって思うような、そんな気持ちがどうしてもしてしまうのはなぜだろう。

流行にも乗れないし、個性もないし、自分もない・・・自分がどうしようもなく影の薄い、個性のない、ペラペラな中身のない人間に思えて来る。

こういうのが中2病的に行き詰まると、バックパック背負ってアジアに行っちゃうんだろうな・・・今42歳です。

明日、何を着よう?

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